ミリ波・テラヘルツ波技術の未来展望

出版:株式会社AndTech 出版年月:2023年10月

ミリ波・テラヘルツ波技術の未来展望

ページ数264(B5判)
税込価格71,500円
税抜価格65,000円
種別日本語調査報告書

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AndTech「ミリ波・テラヘルツ波技術の未来展望」はBeyond5G/6Gに向けて開発の進むミリ波・テラヘルツ波に着目し、技術および応用例を解説・分析しています。

主な掲載内容

【開発編】
第1章 ミリ波フェーズドアレイトランシーバ
第2章 ミリ波増幅回路設計のための電磁界シミュレーション技術
第3章 非遠方界領域直角座標系2次元直交多重伝送用アンテナ
第4章 ミリ波帯フェーズドアレイアンテナモジュール技術
第5章 ミリ波近接無線
第6章 ミリ波・テラヘルツ波帯アンテナ測定技術
第7章 ミリ波帯誘電体基板の材料定数測定技術
第8章 ミリ波誘電体基板材料定数測定技術
第9章 ミリ波吸収メカニズムとその材料設計への適用
第10章 電波吸収体,遮蔽材,透過材のミリ波特性評価法

【応用編】
第1章 ミリ波通信モジュール用基板材料及びパッケージング技術
第2章 ミリ波4K8Kワイヤレスカメラ
第3章 車載ミリ波レーダーの測定
第4章 車載ミリ波レーダー用電波吸収ゴムシートの特性と適用事例
第5章 ミリ波レーダー対応ガーニッシュ開発のこれまでと今後の方向性
第6章 ミリ波レーダによる速度情報に着目した物標識別技術
第7章 インジウムを利用した塗装「インジウムミラーコーティングシステム」
第8章 アルミナセラミックスを用いた誘電性電波吸収体
第9章 テラヘルツ通信の応用展開
第10章 ミリ波帯アレーアンテナの一体型モジュール技術

ミリ波・テラヘルツ波技術の未来展望 - 表紙

概要

刊行にあたって

波長が1cm以下の電波であるミリ波に関する技術開発は長い歴史を持っているが,車載レーダや固定無線などの一部の用途を除いてはマスマーケットを形成していなかった。しかしながら最近ミリ波が5G通信に採用され28GHz帯から使用されている。現時点では未だ広く使用されているとは言い難いが,従来に比べれば遙かに身近になってきた。

ミリ波の5G通信への適用によりミリ波は研究開発のフェーズから実用化開発のフェーズになり,研究開発はテラヘルツ波にシフトしている。テラヘルツ波によりより空間分解能が高いレーダや,より超高速信号伝送が可能な無線通信が期待されるが,高周波化とともに電力効率が低下するので,消費電力の増大が懸念される。低雑音増幅器や電力増幅器はInPなどの化合物を用い,その他の回路はCMOSで構成するなどの異種デバイスのハイブリッド集積が改善の鍵を握るものと思われる。ミリ波の普及状況を鑑みると無線通信でのテラヘルツ波の実用化は少し先になるものと思われるが,着実に研究開発が進むことを期待したい。(「刊行にあたって」より抜粋)

★Beyond5G/6Gに向けて開発の進むミリ波・テラヘルツ波!
★装置の設計、測定技術から車載レーダ,ワイヤレスカメラなどへの応用まで徹底解説!
★国内第1線の研究・開発者が執筆

執筆者

松澤 昭   ㈱テックイデア代表;東京工業大学名誉教授
國弘和明   東京工業大学
岡田健一   東京工業大学
藤島 実   広島大学
広川二郎   東京工業大学
山口 陽   ㈱フジクラ
近藤啓太郎  高速近接無線技術研究組合
飴谷充隆   (国研)産業技術総合研究所
古神義則   宇都宮大学
鈴木洋介   キーコム㈱
日髙貴志夫  山形大学
山本真一郎  兵庫県立大学

須藤 薫   ㈱村田製作所
松﨑敬文   日本放送協会
井上賢一   キーサイト・テクノロジー㈱
齋藤章彦   大同特殊鋼㈱
高尾和希   豊田合成㈱
時枝幸伸   JRCモビリティ㈱
星 将広   JRCモビリティ㈱
上村一之   タクボエンジニアリング㈱
佐々木天茉  ㈱ウイセラ
前田益利   ㈱ウイセラ
川西哲也   早稲田大学
新井宏之   横浜国立大学

目次

【開発編】
第1章 ミリ波フェーズドアレイトランシーバ
1 はじめに
1.1 ミリ波への期待
1.2 高速・大容量化へのアプローチ
2 フェーズドアレイの原理と利点
3 フェーズドアレイ無線機の構成とシステム設計
3.1 フェーズドアレイ無線機の構成
3.2 システムレベル設計
4 フェーズドアレイ無線機の実装技術
4.1 ビームフォーミングIC
4.2 フェーズドアレイアンテナモジュール
5 フェーズドアレイ無線機の実装例
5.1 28GHz帯ビームフォーミングIC
5.2 フェーズドアレイアンテナモジュール
6 サブテラヘルツ帯フェーズドアレイ
6.1 sub-THzAPAAの利点と課題
6.2 sub-THzフェーズドアレイの開発例
6.3 今後の展望

第2章 ミリ波増幅回路設計のための電磁界シミュレーション技術

1 はじめに
2 電磁界シミュレーションにおける課題
3 TL法を用いたディエンベディング
4 異なる断面構造を持つ線路の接続シミュレーション
5 アンプを用いた検証
6 まとめ

第3章 非遠方界領域直角座標系2次元直交多重伝送用アンテナ

1 はじめに
2 アンテナ系
3 透過量評価
4 偏波共用
5 まとめ

第4章 ミリ波帯フェーズドアレイアンテナモジュール技術
1 はじめに
2 モジュール構成
3 ミリ波帯バンドパスフィルタ
4 位相速度切替型移相器
5 さらなる特性向上について
6 まとめ

第5章 ミリ波近接無線

1 はじめに
2 ミリ波近接無線の特徴
3 主なミリ波近接無線規格
3.1 ECMA-387
3.2 Wireless HD
3.3 IEEE802.15.3c
3.4 IEEE802.11ad / Wi-Gig
3.5 IEEE802.15.3e / TransferJet X
3.6 その他標準化動向

第6章 ミリ波・テラヘルツ波帯アンテナ測定技術

1 はじめに
2 ベクトルネットワークアナライザ(VNA)を用いたアンテナ計測
2.1 VNAの装置構成
2.2 アンテナ利得の計測
2.3 アンテナ放射パターンの測定
3 まとめ

第7章 ミリ波帯誘電体基板の材料定数測定技術

1 誘電体回路基板のミリ波特性評価項目
2 円筒空洞共振器法
3 平衡形円板共振器法
4 WGモード共振器法

第8章 ミリ波誘電体基板材料定数測定技術

1 ミリ波帯の複素誘電率測定
1.1 はじめに
1.2 市場の要求
1.3 開発エンジニアの抱える問題
1.4 測定方法の種類
1.5 開放型共振器法
1.6 周波数変化法
1.7 まとめ
2  シミュレーション技術を用いたストリップライン共振器による,シート材料に対して垂直電界方向の複素誘電率測定法
2.1 あらまし
2.2 理論とフリンジング効果の処理
2.3 tanδcondの算出
2.4 測定結果
3 複合誘電体の比誘電率ε’と誘電正接tanδ算出法
3.1 2層誘電体の誘電率,誘電正接
4 まとめ

第9章 ミリ波吸収メカニズムとその材料設計への適用

1 はじめに
2 電磁波シールド(遮蔽)の原理
3 電磁波吸収材料
3.1 透磁率を用いた電磁波吸収材料
3.2 誘電率を用いた電磁波吸収材料
4 電磁波吸収・シールドの評価法
4.1 近傍界の評価法
4.2 遠方界の評価法
5 まとめ

第10章 電波吸収体,遮蔽材,透過材のミリ波特性評価法

1 はじめに
2 マイクロ波帯用電波吸収体評価装置・評価法
3 ミリ波帯用電波吸収体評価装置・評価法
4 マイクロ波帯用遮蔽材・透過材の評価法
5 ミリ波帯用遮蔽材・透過材の評価法

【応用編】
第1章 ミリ波通信モジュール用基板材料及びパッケージング技術

1 はじめに
2 ミリ波通信モジュールの構造
3 ミリ波用基板材料
4 ミリ波パッケージング技術
5 おわりに

第2章 ミリ波4K8Kワイヤレスカメラ

1 はじめに
2 ワイヤレスカメラの要求条件
3 伝送方式と小型送信機
3.1 SC-FDE方式
3.2 小型送信機
4 ミリ波8Kワイヤレスカメラシステム
4.1 システム概要
4.2 8Kコーデック
4.3 中継番組での運用例
5 ミリ波4Kワイヤレスカメラシステム
5.1 システム概要
5.2 歌番組での運用例
6 おわりに

第3章 車載ミリ波レーダーの測定

1 はじめに
2 レーダーモジュール測定
2.1 送信信号スペクトラム測定
2.2 ピークパワー測定
2.3 スプリアス測定
2.4 送信信号変調解析
2.5 レーダー性能評価
2.6 干渉信号

第4章 車載ミリ波レーダー用電波吸収ゴムシートの特性と適用事例

1 開発の背景
2 電波吸収体の設計技術
3 電波吸収体以外の主な対策と設計
3.1 筐体の小型化
3.2 電子基板PCB(Printed Circuit Board)の薄厚化
3.3 電子基板PCB(Printed Circuit Board)の多層化
3.4 電波吸収体による不要な電磁波結合対策
4 電磁波吸収体の設計
5 電磁波吸収ゴムシートの最適設計
6 ミリ波レーダー用電波吸収体の開発例
7 まとめ

第5章 ミリ波レーダー対応ガーニッシュ開発のこれまでと今後の方向性

1 はじめに
2 製品の概要
3 これまでのニーズ
4 製品の特徴
4.1 ミリ波透過性への対応
4.2 広角検知への対応
4.3 低コスト化への対応
4.4 寒冷地への対応
5 BEV・自動運転化に伴うミリ波透過製品開発の方向性
6 おわりに

第6章 ミリ波レーダによる速度情報に着目した物標識別技術

1 はじめに
2 ミリ波レーダによる物標識別
2.1 レーダ検知処理
2.2 物標識別処理
3 評価結果
3.1 特徴量の有効性
3.2 屋外識別実験
4 まとめ

第7章 インジウムを利用した塗装「インジウムミラーコーティングシステム」

1 はじめに
2 「Rの技術」によるインジウムの塗料・塗装化のメリット
3 インジウムミラーコーティングの塗装ワーク例
4 塗膜の基本構造
5 インジウム塗料の標準塗装仕様
6 インジウムコーティングを実現させる塗装システム「Rの技術」の特徴
6.1 ミラー層に必要な薄膜多層による塗膜均一性
6.2 インジウムのコスト対応の塗着効率
6.3 塗装品質と塗着効率を実現させる技術要素
7 インジウムミラーコーティングシステム外観と量産システム
8 塗膜性能(外観優先)
9 電波特性

第8章 アルミナセラミックスを用いた誘電性電波吸収体

1 はじめに
1.1 製造工程
1.2 設計理論
1.3 アルミナでの設計,測定
1.4 電波吸収量の計算について
2 2層型電波吸収体
2.1 設計理論
2.2 サンプル情報
2.3 設計値と測定結果
2.4 材料選択
3 おわりに

第9章 テラヘルツ通信の応用展開

1 はじめに
2 電波資源拡大の最前線
3 6Gで必要となる広帯域通信
4 テラヘルツ帯固定無線の開発例
5 広がるテラヘルツ通信の応用
6 おわりに

第10章 ミリ波帯アレーアンテナの一体型モジュール技術

1 はじめに
2 アレーアンテナ
3 AiPの構成
4 アンテナ素子の広帯域化
5 まとめ