スマートシューズのデジタルDX – パテントガイドブック

出版：株式会社ネオテクノロジー　出版年月：2023年6月

スマートシューズのデジタルDX – パテントガイドブック

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“デジタルDX”は、データを使って製品やサービスを高付加価値へと変革する新しい取り組みです。パテントガイドブックでは次世代重要技術と言われるヘルステックに注目し、多様性に富む特許情報から見た最新の靴にかかわるデジタルDXの動きを俯瞰します。
ヘルステック展望の一例として靴のデジタルDXを取り上げました。靴を情報端末として見ることで情報が価値化するという観点から、先端技術の把握と将来の展開に役立つ具体例を選びました。

【調査対象技術】

靴や履物に関してヘルスケアインフォマティックスや計測、計算などのデジタル処理技術に特徴づけされた発明を調査の対象にしました。
公開特許と公表特許、再公表特許を対象とし、実用新案は含んでいません。

■最新の特許情報を俯瞰するパテントガイドブック

技術テーマのプランニングや技術開発において、技術者自身が最新の特許情報を的確に把握することが求められています。しかし、膨大な特許情報の中から必要な情報を抽出するには困難が伴います。そこで、特定の技術テーマにフォーカスし、俯瞰しやすいレベルにまとめたのが本シリーズ「パテントガイドブック」です。
技術者の視点で直近の特許情報から最低限必要な約100件の情報を厳選した本シリーズは、技術者が進むべき将来の方向を探る道しるべとして最適なガイドです

目次

◇新しい価値を生む

靴のデジタルDXは新しいビジネスを生み出します。アスリートの動きをクリエイティブな表現に変換（NIKE）、身体のジェスチャをデジタル化したAR,VR,MR（ワコム）のほか、高度道路交通システムITSやウエアラブルコンピューティング、ブロックチェーンなどから生まれる新価値への取り組みに特徴がある特許情報を取り上げました。

◇足から生体情報

発生する回生電力の制御、分散保持、系統にもどすなど、回生電力の処理方法に関する技術に関する特許情報を取り上げました。

◇バッテリー電圧の抑制

靴をつかって足から生体情報を得る技術を取り上げました。片足画像をネット履歴と照合（アシックス）、靴を履いたまま足形をテラヘルツ計測（島津）など、最先端の６G光通信やウエアラブルとの相性を感じさえます。左右の靴の足音検知（アニモ）は、音響を使う新たな着想と、フレイル予知のヘルステック具体例になります。

◇ネット通信の活用

靴の情報を価値化する無線通信やネット技術の利用に観点を置きました。靴と足の中間、インソールに着目したフットケア製品（DIC）、左右の足間を通信で結んで価値化する短距離通信（NEC）など、BluetoothやNFC、ID認証やGPSの利用などが含まれています。

◇データの価値化

足データをデジタル情報処理するバイオメカニクスCOPの活用（ゴールドグラビティ）、歩行者推測航法PDRで生じる累積誤差の補正（NECネッツエスアイ）など、足データを使う上での情報の質の向上に関する取り組みの具体例を知ることができます。

◇アクティブ機能

センサからアクチュエータに、靴の機能を革新する特許情報を取り上げました。冷却の流体設計（ワフ）、アラーム機能を備えたスマートシューズ（NIKE）など、靴の概念を変える取り組みの具体例です。

◇パーソナライズ

使用者に合った靴選び、カスタム化に着目した特許情報を取り上げました。子供の成長と足サイズの予測など、個別最適化への取り組みがわかります。

◇医療支援

足で歩く医療の原点、高齢者の歩行障害アシスト、高所作業の安全確保など、足の医療や労働安全に関する特許情報を取り上げました。

◇参考情報

靴はウエアラブル電子機器だけに、フレキシブル電池などを参考情報として取り上げました。